障害者雇用で給料が安い理由を分析し、改善方法を考える

コラム|求職者様向け

2026/04/14

 

障害者雇用の給料が低いといわれる背景には、勤務時間や雇用形態、勤続年数など複数の要因があります。この記事では、障害者雇用の給料が安くなりやすい理由と、改善に向けた考え方や大企業で働くメリットについて解説します。



【この記事の目次】

障害者雇用における給料の問題は、日本社会において重要な議論の一つとなっています。障害者雇用での給料は低いとされていますが、その背景には勤務時間の短縮や非正規雇用の多さがあるのです。


また、定着率の低さや勤続年数の短さも、給料の低さに大きく影響しています。この記事では、これらの要因がなぜ給料の低さにつながるのか、そして給料の改善方法などを解説していきます。


障害者雇用の給料が安い理由


現金の前に老夫婦のマスコットが置いてある


厚生労働省の「令和5年度障害者雇用実態調査」によると、障害者の雇用は着実に進展しています。従業員規模5人以上の事業所に雇用されている障害者数は約110万7000人で、前回調査から約25万6000人の増加が見られます。


障害の種類によっても平均賃金は変わりますが、平均すると約16万円です。給料の実態については、こちらの記事で詳しく解説しているため、併せてご覧ください。


「障害者の給料の実態は? 給料を上げる方法も解説」



一般雇用に比べて障害者雇用の給料は安い傾向にありますが、その理由としては次に挙げるいくつかの点が考えられます。


勤務時間の短縮と非正規雇用の多さ


障害を持つ人たちは、身体や精神の状態に配慮して勤務時間が短く設定されることが多くあります。また、正規雇用ではなく、非正規雇用で働く割合も高い傾向にあります。


一般的に非正規雇用は、正規雇用に比べて給料が低いため、障害者の人たちの給料が低くなりがちです。これは、障害者雇用を取り巻く環境が、給料の低さを招く一因となっています。




正社員の割合


令和5年度障害者雇用実態調査





身体障害者


59.3%




知的障害者


20.3%




精神障害者


32.7%




発達障害者


36.6%





「令和5年度障害者雇用実態調査」によると、正社員の割合は、身体障害者が59.3%、知的障害者が20.3%、精神障害者が32.7%、発達障害者が36.6%となっており、障害の種類によってかなりばらつきがあります。


令和5年度障害者雇用実態調査の賃金差の横棒グラフ


労働時間と雇用形態の違いが、賃金差につながりやすい点は見逃せません。労働時間(週所定労働時間)については、通常(週30時間以上)の勤務となっている人が、身体障害者は75.1%(前回は79.8%)、知的障害者は64.2%(同65.5%)、精神障害者は56.2%(同47.2%)、発達障害者は60.7%(同59.8%)となっています。


定着率と勤続年数の問題


障害を持つ方々にとって、さまざまな要因から職場への定着率が低下し、勤続年数が短くなりやすい、という点は課題の一つです。これは、職場環境の問題、身体や精神状態の変化、または仕事と障害との間でのバランスを取る難しさに起因します。


勤続年数が短いと、昇給の機会が少なくなりやすいため、これが給料の低さにつながっています。長く働ける環境づくりは、賃金面の改善を考えるうえでも重要です。


給料の改善方法や、給料の低さをカバーするための方法


凹凸の文字が書かれたハートのタグをつまむ指


障害者雇用の給料が低いという問題を改善するためには、正社員登用や資格取得、公的な支援制度の活用が有効な手段として挙げられます。


正社員登用と資格取得


ポイント


非正規雇用で働く障害を持つ方々にとって、正社員として登用されることは給料改善に直結します。正社員登用に向けた制度や社内研修の活用が重要です。


また、従業員側は積極的に資格取得を目指し、企業側はそれを支援することで資格手当の獲得や、より専門的な職への就職が可能になり、給料の改善につながります。資格取得支援には、勉強時間の確保や試験費用の補助などの支援策が考えられるでしょう。


公的な支援制度の活用


障害者雇用においては、障害年金や障害者控除など、公的な支援制度を活用することも大切です。これらの制度をうまく利用することで、障害を持つ方々は経済的なサポートを受けられます。


しかし、これらの制度についての情報が十分に提供されていない場合が多く、利用しづらいという問題もあります。そのため、企業側は支援制度の情報をわかりやすく伝え、利用を促進する取り組みが必要です。


障害者雇用の給料問題の改善には、職場環境の整備や制度の活用だけでなく、社会全体の意識改革も求められます。障害を持つ方が自分の能力を存分に発揮できる環境を整えることで、給料の改善だけでなくより充実した職場生活を送ることができることが期待できます。


大企業での雇用のメリット


パソコンに向かう女性


大企業における障害者雇用は、多くのメリットを提供します。そのなかでも、特に福利厚生の充実と給料の高さが大きなメリットの一つです。このメリットは、障害を持つ方がより安定した生活を送る上で重要な要素となります。


福利厚生と給料の高さ


一般的に大企業は福利厚生が充実しています。健康管理や休暇制度、退職金制度など、従業員が安心して長く働ける環境が整っている場合が多いでしょう。


障害を持つ方々にとっても、これらの福利厚生は大きな魅力となります。例えば、健康管理面では、障害に応じた職場環境の調整や必要なサポートが提供されることが多くなっています。


また、大企業では給料の水準も高く設定されている場合が一般的です。これは、大企業が経済的に安定しており、より多くの資源を従業員に還元できるためです。障害を持つ方々も、このような環境であれば、能力に応じて適正な報酬を得ることが可能となります。


大企業での雇用は、障害を持つ方々にとって安定した給料と充実した福利厚生を享受する絶好の機会です。これらのメリットは障害者雇用の質を高め、より多くの障害を持つ方が社会に貢献できることを可能にします。


まとめ - 障害者雇用の給料問題について考えてみよう


障害者雇用における給料の問題は、複数の要因によって引き起こされています。勤務時間の短さ、非正規雇用の多さなどの問題が低賃金の要因です。しかし、これらの課題には解決策が存在します。


正社員登用の推進、資格取得支援などが給料改善への道を開くものとなります。また、公的な支援制度もよく確認しておきたいものです。


障害者雇用の給料問題は、単に経済的な側面だけでなく、社会の包摂性や公平性にも深く関わる課題です。障害のある人々が社会の一員として尊重され、能力を十分に発揮できる環境の構築が求められています。企業や政府、社会全体での意識改革と制度改善が、この問題の根本的な解決に繋がります。



更新情報


初回公開:2026年04月14日


最終更新:2026年06月15日




この記事で扱ったテーマ



給料が低い背景


給料改善の考え方


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