難病がある人への配慮とは?仕事や支援制度をわかりやすく解説

コラム|求職者様向け

2026/08/05

難病とは、原因が完全には解明されていない場合が多く、治療法が確立していない、または長期にわたる療養が必要とされる病気の総称です。この記事では、難病の基本的な定義、障害との関係、生活や仕事への影響、そして利用できる支援制度について解説します。


【この記事の目次】

難病がある人への配慮とは?仕事や支援制度をわかりやすく解説


難病とは?基本知識と障害との関係


難病とは?基本知識と障害との関係を説明するイメージ画像


難病は症状や進行の仕方が人によって大きく異なります。同じ病名であっても、症状の重さや生活への影響は個人差が大きいとされています。そのため、難病と診断された方の中には「これから仕事は続けられるのか」「制度は利用できるのか」と不安を感じる方も少なくありません。


この記事は主に次のような方に向けて解説しています。



  • 難病と診断され、生活や仕事について情報を知りたい方

  • 難病と障害の関係を理解したい方

  • 利用できる制度や支援を知りたい方


難病について正しい知識を持つことで、利用できる支援や働き方の選択肢を理解しやすくなります。生活設計や仕事の判断を行う際の参考としてご活用ください。


なお、最終的な診断・治療・支援方針は、医師や専門機関にご相談ください。


難病とはどのような病気を指す?


難病とは、一般的に原因が十分に解明されておらず、治療方法が確立していないことが多く、長期間の療養が必要になる病気を指します。例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、潰瘍性大腸炎、クローン病、膠原病、拡張型心筋症、特発性間質性肺炎などです。


2026年8月時点で348疾病あります。日本では「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」に基づき、国が一定の基準を満たす病気を「指定難病」として定めています。この制度は、医療費の負担軽減や生活支援を目的として整備されています。


難病の症状は多様であり、治療を継続することで、症状が安定する場合もあります。ただし、日によって体調が変化し、体調の崩れやすさ、発熱、強い疲労や痛み、集中力の低下などが主な症状となる場合もあります。


また、症状が安定していても、疾患により特徴的な機能障害や症状があらわれる場合があります。神経・筋疾患では筋力低下やふるえ、消化器系疾患では下痢や下血、骨・関節系疾患では動作や姿勢の制限などが挙げられます。


症状が日によって変動することもあり、通学や就労、日常生活に支障が生じる場合があるため、体調管理がとても難しく、難病の方や周りの家族を苦しめている現状があります。



  • 難病の主な分類と疾患例

  • 疾患の分類 主な疾患例

  • 神経・筋疾患 パーキンソン病、もやもや病、重症筋無力症、多発性硬化症

  • 代謝疾患 全身性アミロイドーシス等

  • 染色体または遺伝子に変化を伴う症候群

  • 免疫疾患 全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、皮膚筋炎/多発性筋炎等

  • 循環器疾患 特発性拡張型心筋症等

  • 消化器疾患 潰瘍性大腸炎、クローン病等

  • 内分泌疾患 下垂体前葉機能低下症等

  • 血液疾患 特発性血小板減少性紫斑病、原発性免疫不全症候群等

  • 腎・泌尿器疾患 一次性ネフローゼ症候群、多発性嚢胞腎等

  • 呼吸器疾患 特発性間質性肺炎等

  • 皮膚・結合組織疾患 類天疱瘡、神経線維腫症等

  • 骨・関節疾患 後縦靭帯骨化症、特発性大腿骨頭壊死等

  • 聴覚・平衡機能疾患

  • 視覚疾患 網膜色素変性症等


※上記は難病の一例であり、すべての疾患を掲載したものではありません。


このように、難病には多種多様な疾患があります。難病情報センターによると、日本では100万人以上の人が難病の患者として療養しているとされています。



指定難病の定義


指定難病とは、「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」に基づいて厚生労働大臣が指定する病気のことです。厚生労働省によると、指定難病は次の条件を満たすものとされています。



  • 発病の原因が明らかでない

  • 治療方法が確立していない

  • 長期の療養を必要とする

  • 国内の患者数が人口の約0.1%程度に達しない

  • 客観的な診断基準などが確立している


指定難病でも、全員が医療費助成の対象になるわけではありません。重症度基準を満たす場合や、指定難病にかかる医療費総額が月33,330円を超える月が申請前12か月以内に3回以上ある場合に、助成対象となる可能性があります。


難病と慢性疾患の違い


難病と似た言葉に「慢性疾患」があります。慢性疾患とは、症状や治療が長期間にわたって継続する病気の総称です。例えば、糖尿病や高血圧、関節リウマチなどが慢性疾患に含まれます。病気によっては完治が難しく、継続的な治療や服薬、生活習慣の管理が必要になることもあります。


しかし、慢性疾患がすべて難病に該当するわけではありません。慢性疾患は病気が長期間続くことに着目した呼び方であり、必ずしも原因が不明であったり、治療が難しかったりする病気だけを指すものではないためです。


難病には、一般的に原因が十分に解明されておらず、治療法が確立していない場合が多いという特徴があります。また、患者数が比較的少なく、長期にわたる療養が必要になるケースもあります。ただし、難病と呼ばれる病気の症状や治療方法、患者数はそれぞれ異なります。


このように、慢性疾患は主に「病気が続く期間や経過の長さ」に、難病は「原因の不明確さや治療の難しさ、希少性」に焦点が当てられています。そのため、慢性疾患の一部が難病に含まれることはありますが、両者は同じ意味ではなく、医療制度や支援制度においても区別されています。


難病と障害の関係


難病(指定難病)の方と障害のある方は、どちらも病気や障害による症状によって日常生活や社会生活に長期にわたる制限が生じ、支障がある共通点があります。また、そのような場合、障害として認定される可能性があります。


ただし、難病(指定難病)と障害は制度上は別の仕組みであり、難病があるだけで自動的に障害認定されるわけではありません。


ここでよくある誤解として、次のようなものがあります。





  • 難病と診断されると必ず障害者手帳が取得できる

  • 難病の人は働くことができない

  • 難病の人はすべて障害者雇用になる



難病は種類や症状の程度が幅広く、診断を受けたすべての方が身体障害者手帳の対象になるわけではありません。実際には、症状の程度や生活への影響などを総合的に判断して制度の対象となるかが決まります。また、治療や配慮を受けながら働いている方も多く、必ずしも障害者雇用を選択するとは限りません。本人の体調や希望、必要な配慮に応じて働き方を考えることが大切です。



内部障害とは


内部障害とは、身体の内部機能に障害がある状態を指します。


身体障害者手帳の対象となる内部障害には次のようなものがあります。




  • 身体障害者手帳の対象となる
    主な内部障害




  • 心臓機能障害


    心臓の働きが低下し、ペースメーカーなどを使用している場合があります。




  • 呼吸器機能障害


    呼吸機能が低下し、酸素療法や人工呼吸器が必要になる場合があります。




  • 腎臓機能障害



    腎機能が低下し、人工透析治療が定期的に必要になる場合があります。




  • 肝臓機能障害



    肝機能が低下し、疲労感やだるさが強く現れる場合があります。




  • 小腸機能障害



    消化や吸収の機能に障害があり、栄養管理が必要になる場合があります。




  • 免疫機能障害


    HIV感染などにより免疫機能が低下し、継続的な治療や体調管理が必要になる場合があります。




  • ぼうこう・直腸機能障害


    排尿や排便の機能に障害があり、ストーマ(人工ぼうこう・人工肛門)を造設している場合があります。




身体の内部機能に障害がある場合、身体障害者手帳の対象となる可能性があります。内部障害とは、心臓や腎臓、呼吸器など、身体の内部機能に障害がある状態を指します。内部障害は外見から分かりにくいため、症状や日常生活上の困難について、周囲の理解を得にくいこともあります。一人で抱え込まず、必要な支援を受けるための選択肢の一つとして、身体障害者手帳の取得を検討することも大切です。


難病でも障害者手帳を取得できるケース


厚生労働省の調査によると、医師から難病と診断されたことがある人のうち、障害者手帳を所持している人の割合は56.3%です。ただし、難病と診断されたことだけを理由に障害者手帳が交付されるわけではありません。 難病のある人でも、病気によって生じた身体機能や精神機能の障害が、各障害者手帳の認定基準に該当する場合は、手帳の交付対象となる可能性があります。手帳を取得できるかどうかは、病名だけでなく、症状や機能障害の種類、程度、日常生活への影響などを踏まえて判断されます。


例えば次のようなケースです。



  • 身体機能に明確な障害がある

  • 日常生活に大きな制限がある

  • 医師が障害等級に該当すると判断した


ご自身の病気が身体機能にどのような影響を与えているかを正確に把握し、担当医と十分に相談することが不可欠です。手帳の取得は医師の診断書と自治体の審査によって決定されます。



難病のある人が直面しやすい生活・仕事の課題


難病のある人は、日常生活や仕事の中でさまざまな課題に直面することがあります。難病情報センターによると、強い疲労感や慢性的な痛み、日による体調の変化、定期的な通院の必要性などに悩む人がいるほか、症状について周囲の理解を得にくい場合もあるとされています。


例えば、自己免疫疾患などでは、体内の炎症による強い倦怠感が長く続くことがあります。しかし、こうした症状は外見から分かりにくいため、「元気そうに見えるのに、なぜ休むのか」と周囲から誤解されることもあります。


また、難病の症状は日によって強さが変わることがあり、毎日同じ勤務時間や業務量で働くことが難しい場合もあります。そのため、体調の波に対応しながら継続して勤務することに難しさを感じる人も少なくありません。


難病がある人に必要とされる配慮とは?


難病がある人に必要とされる配慮とは?を説明するイメージ画像


難病のある人は体調の変動が激しいため、柔軟な労働環境の整備が求められます。難病のある人が安定した就労を続けるためには、周囲の理解と適切な配慮が重要です。


体調や通院の状況に応じた柔軟な対応が必要になることがあります。近年は、「障害者雇用促進法」に基づいて、障害のある人への「合理的配慮」が重要とされています(内閣府)。


合理的配慮とは何か


合理的配慮とは、障害のある人が社会生活を送るうえで不利益を受けないように、必要な調整を行うことを指します。


合理的配慮の内容は個々の状況によって異なりますが、例えば次のような対応が考えられます。




勤務時間の柔軟化

通院休暇として半日休暇や時間単位の休暇を利用できるようにするほか、体調不良時の急な休みや短時間勤務に対応します。




業務内容の調整

立ち作業を座って行える業務に変更したり、重い荷物を持つ作業を避けたりするなど、身体的な負担を軽減します。




環境の整備

トイレに近い席へ配置するほか、感染症予防のために空気清浄機を設置したり、マスクを配布したりします。




相談体制の確立

産業医やハローワークの難病患者就職サポーターなどに相談できる体制を整え、定期的な面談を通じて体調や業務量を確認します。




ストレスケア

本人の病状や心理的な負担を確認し、業務によって過度なストレスがかからないよう配慮します。




合理的配慮は、企業の規模と状況に応じ、過度な負担にならない範囲で本人と職場が相談しながら実施されることが一般的です。


職場で求められる主な配慮


難病のある人が働き続けるためには、症状や治療状況に応じた職場の配慮が重要とされています。難病は症状の現れ方や体調の変動が人によって大きく異なり、同じ病名であっても仕事への影響はさまざまです。


そのため、一律の対応ではなく、本人の体調や業務内容に合わせた柔軟な調整が求められる場合があります。例えば、通院や治療に合わせた勤務時間の調整、体力的な負担の大きい業務の見直し、休憩時間の確保などが挙げられます。


また、外見から症状が分かりにくい難病も多いため、周囲が体調の変化を理解しやすい職場環境づくりも重要とされています。合理的配慮は、本人と職場が話し合いながら現実的な方法を検討していくことが大切です。


通院や体調に合わせた勤務調整


通院や体調不良に合わせて勤務調整を行うことは、治療と仕事を両立し、長期的に働き続けるために非常に重要です。2026年4月からは「治療と仕事の両立支援」が企業の努力義務となり、企業側も柔軟な対応を求められるようになります。


そのため、次のような勤務調整が行われることがあります。




時間単位の年次有給休暇


通院時に1日分を消化せずに済むため効率的です。





短時間勤務・フレックスタイム制


体調の波に合わせることができます。





テレワーク(在宅勤務)


通勤による身体的な負担を軽減できます。





シフトの調整・病気療養休暇


通院日に合わせて休日を調整したり、病気療養休暇制度を導入したりする企業もあります。




仕事内容や業務量の調整


難病を抱えながら仕事を続ける上で、体調に合わせて業務量を調整することは、安定した就労のために非常に重要です。主に以下のような方法や、合理的配慮を職場と相談することが有効です。


症状によっては体力的な負担の大きい業務が難しい場合があります。その場合、次のような配慮が行われることがあります。



  • 長時間の立ち仕事を避ける

  • 重い物を扱う業務の変更

  • 業務量の調整


休憩・在宅勤務などの働き方の配慮


難病のある方は疲労や体調の変動が起こることがあります。そのため次のような働き方の配慮が検討されることがあります。



  • 休憩時間の確保

  • 在宅勤務

  • テレワーク


内部障害のある人への配慮のポイント


内部障害(心臓、腎臓、呼吸器など)の場合、外見からは分かりにくいため、誤解が生じやすく、疲労しやすい特性や定期的な通院への理解が必須です。


具体的には、座り作業への配置転換、時短・テレワーク、通院時の休暇取得、感染症対策、そして定期的な休憩の許可が配慮の基本となります。これらは障害や難病であることの、周囲の理解が必要となります。


具体的な配慮の例としては、体調の変化に合わせて勤務時間を調整できるフレックスタイム制度の活用や、疲れやすさを考慮した無理のない業務量への調整が挙げられます。また、体調を安定して保つために、定期的な通院が必要であることを職場が理解し、通院しやすい勤務体制を整えることも重要です。加えて、本人が体調の変化や困りごとを伝えやすい雰囲気や相談体制をつくることも、安心して働き続けるための大切な配慮とされています。


難病のある人が利用できる支援制度


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難病のある人が生活を続けながら治療を受けていくためには、医療費や生活面の負担を軽減する制度の利用が重要になる場合があります。日本では、難病の患者に対する支援として医療費助成制度や福祉制度などが整備されています。


ただし、制度の利用条件は病気の種類や症状の程度、所得などによって異なることがあります。そのため、制度の内容を理解したうえで、自治体や医療機関、相談機関などに確認することが大切とされています。


指定難病の医療費助成制度


指定難病と診断された場合、長期にわたる治療に伴う医療費の負担を軽減するために「特定医療費(指定難病)助成制度」を利用できる可能性があります。この制度は、難病の患者が継続的な治療を受けやすくすることを目的としており、厚生労働省が定めた指定難病に該当し、重症度などの基準を満たす場合に対象となります。


難病では、定期的な通院や検査、薬剤治療が必要になることが多く、医療費が長期間にわたってかかることがあります。当事者にとっては、治療を続けるうえで経済的負担が大きな課題になる場合もあります。


この制度では、所得区分に応じて月ごとの自己負担上限額が設定され、それを超えた医療費については公費で助成される仕組みになっています。


申請は居住している自治体の窓口で行うことが一般的で、指定医による診断書や申請書類の提出が必要になります。認定されると「医療受給者証」が交付され、指定医療機関での診療に対して助成が適用されます。


なお、対象となる医療機関や手続きの詳細は自治体によって異なる場合があるため、主治医や自治体窓口に相談しながら進めることが重要です。



障害者手帳の取得と支援内容


難病によって身体機能や生活機能に一定の制限がある場合、障害者手帳を取得できる可能性があります。障害者手帳を取得すると、税制上の優遇や福祉サービスの利用など、さまざまな支援を受けられる場合があります。


障害者手帳は、身体・精神・療育(知的)の3種類に分かれており、難病に起こる症状が、これらの障害に該当すると判断された場合、手帳の交付対象になります。


例えば、神経難病からの重度な歩行障害が生じた場合は身体障害、慢性的な疼痛や疲労からうつ病を併発し、日常生活に支障をきたしている場合は精神障害として評価される可能性があります。大切なのは、身体や精神にどのような機能的な制限を与え、具体的な生活動作にどれほどの困難をもたらしているかという点にあります。


ただし、難病と診断されたすべての人が手帳の対象になるわけではありません。症状の程度や生活への影響などが総合的に判断されます。


身体障害者手帳(内部障害)


身体障害者手帳は、身体機能に一定の障害がある場合に交付される手帳です。難病によって心臓や腎臓、呼吸器などの機能に障害が生じた場合、症状の程度によっては内部障害として認定されることがあります。内部障害として認定された場合、次のような支援を受けられる可能性があります。



税制上の控除


公共交通機関の割引


福祉サービスの利用


税制上の控除では、身体障害者手帳の交付を受けるなど一定の要件を満たす場合に、所得税や住民税の「障害者控除」を受けられる場合があります。控除の区分や金額は、障害等級や扶養・同居の状況などによって異なります。
公共交通機関の割引では、身体障害者手帳の区分や交通事業者の利用条件に応じて、鉄道やバスなどの運賃割引を受けられる場合があります。割引の対象者や利用方法は事業者によって異なるため、利用前に確認することが大切です。


福祉サービスについては、身体障害者手帳を持っていない場合でも、障がいの状態や対象疾病など一定の要件を満たすことで利用できる場合があります。対象となるサービスや申請方法は、居住する地域の市区町村の窓口などで確認するとよいでしょう。



精神障害者保健福祉手帳などの可能性


難病の中には、身体機能だけでなく精神面や認知機能に影響を及ぼすものもあります。例えば、長期にわたる療養や症状による生活の制限、強い疲労や痛みなどが続くことで、気分の落ち込みや不安、不眠などの精神症状が現れる場合があります。


また、一部の神経系の難病では、認知機能や精神状態に影響が出ることもあるとされています。こうした症状によって日常生活や社会生活に継続的な制限が生じている場合、精神障害者保健福祉手帳の対象となる可能性があります。


精神障害者保健福祉手帳は、精神疾患による生活上の困難を支援するための制度で、医師の診断書などをもとに自治体が審査を行い、等級が認定されます。


手帳を取得した場合、税制上の優遇や公共交通機関の割引、就労支援制度の利用など、さまざまな支援につながる場合があります。当事者にとっては、体調や生活状況に合わせた支援を受けながら社会参加を続けるための一つの選択肢となることがあります。


ただし、手帳の対象となるかどうかは症状の程度や生活への影響によって判断されるため、主治医や自治体の窓口、相談支援機関などに相談しながら制度の利用を検討することが重要です。


自治体や公的機関の支援サービス


難病のある人は、医療制度だけでなく自治体や公的機関が提供するさまざまな支援サービスを利用できる場合があります。難病では長期的な療養が必要になることが多く、生活や就労、福祉制度などについて継続的な相談が必要になることもあります。


そうしたときに活用できるのが、自治体の福祉窓口や難病相談支援センターなどの相談機関です。これらの機関では、医療費助成制度や福祉サービス、就労支援などについて情報提供や相談支援が行われています。


当事者や家族が制度の利用方法や生活上の困りごとについて相談できる窓口として、専門職が対応している場合もあります。制度の内容や利用条件は自治体によって異なることがあるため、具体的な支援については居住地の自治体や相談機関に確認することが重要とされています。


相談支援機関


難病に関する相談ができる主な機関として、次のようなものがあります。



  • 難病相談支援センター

  • 自治体の福祉窓口

  • 保健所


難病相談支援センターでは、医療、福祉、就労などに関する相談を受け付けており、専門職が情報提供や支援の案内を行っています。


福祉サービス


症状の影響で日常生活に支援が必要な場合、福祉サービスを利用できることがあります。



  • 生活支援サービス

  • 居宅支援

  • 福祉用具の利用


サービス内容は自治体によって異なるため、詳細は自治体の窓口で確認することが大切です。


難病がある人の仕事と働き方


難病がある人の仕事と働き方を説明するイメージ画像


難病のある人の中には、体調や治療と向き合いながら働いている方も多くいます。難病情報センターなどの資料でも、難病患者の就労に関する課題が指摘されています。


症状や体調によって働き方を調整することが必要になる場合もありますが、支援制度や職場の配慮を活用することで働き続けている人もいます。


難病のある人は働ける?仕事との向き合い方


難病があるからといって、必ずしも働けないわけではありません。症状や体調に合わせて働き方を調整している人も多くいます。


ただし、難病は体調が変動しやすく、日によって症状の強さが異なる場合があります。強い疲労感や痛み、倦怠感などが続くこともあり、一定のペースで働くことが難しくなることもあります。


そのため、仕事と向き合う際には、まず自分の体調を優先することが大切です。症状の記録をつけたり、変化があった際に主治医へ相談したりすることで、自分の体調を把握しやすくなります。


また、職業を選ぶ際や業務内容を検討する際には、無理なく続けられる働き方を選ぶことも重要です。自分の体調や症状に合った環境を選ぶことで、長期的に安定して働きやすくなります。


さらに、支援制度や相談窓口を活用することで、就労を続けるために必要な支援を受けられる場合があります。相談できる場所を一つでも持っておくことは、働くうえでの不安を和らげることにもつながります。


職場で配慮を受けながら働く方法


職場から必要な配慮を受けることは、無理なく長期的に働き続けるうえで重要です。病気の症状や体調は変化することがあるため、必要な配慮について会社と継続的に相談し、その都度調整することが求められる場合もあります。ここでは、必要な配慮を会社へどのように伝えればよいのか、相談する際のポイントについて解説します。


会社への伝え方


病気について会社に伝えるかどうかは、本人の希望や職場の状況を踏まえて慎重に検討する必要があります。一方で、勤務上の配慮を受ける必要がある場合には、必要な範囲で病気や体調の状況を共有することが有効なこともあります。


会社へ伝える際は、現在どのような症状があるのか、どのような配慮を必要としているのか、その症状が業務にどのような影響を及ぼす可能性があるのかを整理しておくと、相談を進めやすくなります。


合理的配慮を相談するポイント


合理的配慮について相談する際は、必要としている対応を具体的に伝えることが重要です。例えば、通院日に合わせた勤務日や勤務時間の調整、体調に応じた休憩時間の確保、身体的な負担を軽減するための業務内容の変更などが挙げられます。


利用できる就労支援


難病のある人が仕事を探す際には、専門の就労支援機関を利用することで、自分の希望や体調に合った職種・求人を見つけやすくなります。また、症状や通院などへの配慮が受けられる求人を探したり、応募書類の作成や面接について相談したりすることもできます。


障害者雇用枠


障害者雇用枠とは、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を取得している方を対象とした特別な採用枠です。必要な配慮を受けやすく、特性に合わせた業務量の調整や勤務時間の調整などが受けやすく、安定した就業を目的とした働き方ができます。


就労移行支援


就労移行支援では、一般企業で働きたい障害や難病のある方(原則65歳未満)に対して必要なスキル(PC操作やビジネスマナーなど)の習得、就職活動、定着支援までを受けられる福祉サービスです。前年度収入が少ない場合などは無料で受けられる場合があります。所得に応じて利用者負担が生じる場合があるのでお住いの自治体で確認が必要です。


ハローワークの専門窓口


ハローワークには、障害のある人向けの専門窓口があります。ここでは就職相談や求人紹介などの支援が行われています。


難病がある人が配慮を受けながら働くためのポイント


難病がある人が配慮を受けながら働くためのポイントを説明するイメージ画像


体調管理と仕事のバランス


難病のある方は体調の変動がある場合があります。前日は体調が安定していても、翌日には微熱や強い倦怠感、めまいが現れることがあります


障害や難病を開示していた場合でも、任されていた仕事が中断したり、ラインの仕事のシフトが変わってしまうなど、業務の中断や勤務調整が必要になる場合があるため、体調管理と仕事のバランスを取ることがとても重要です。


体調を最優先に考え、無理のない業務量を調整し、職場に症状や状況を伝えることが鍵です。


このようなことを防ぐため、次のような点が挙げられます。



  • 十分な休息

  • 通院の継続

  • 症状の変化を把握する


自分の体調を管理し仕事に向かうことが大切です。


支援機関を活用する重要性


支援機関を活用することで、制度の情報や生活支援について相談できる場合があります。難病相談支援センターなどでは、医療や福祉、就労に関する相談を受け付けています。


周囲と協力しながら働くための工夫


難病のある人が働き続けるためには、周囲と協力しながら働くことも重要とされています。体調や必要な配慮について共有することで、無理のない働き方につながる場合があります。


まとめ


難病とは、原因が完全には解明されていない場合が多く、長期間の療養が必要になる病気の総称です。難病のある人の中には、症状によって生活や仕事に制限が生じる場合があります。


そのような場合、医療費助成制度や福祉制度、就労支援などを利用できる可能性があります。また、合理的配慮や支援制度を活用することで、体調に配慮しながら働いている人もいます。


制度の利用条件や支援内容は個々の状況によって異なるため、自分に合った支援を検討することが重要です。医療機関や自治体、相談機関などに相談しながら進めましょう。



更新情報


初回公開:2026年08月05日




この記事で扱ったテーマ



難病と障害の関係


職場での合理的配慮


医療と就労の支援制度





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