大人のアスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)とは?|苦手なこと・向いている仕事を知って働きやすく
コラム|求職者様向け
2025/12/23
大人のアスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の特徴や苦手なこと、向いている仕事について解説します。診断の流れや支援機関の活用方法、働きやすい職種の具体例までわかりやすくまとめています。
【この記事の目次】
大人のアスペルガー症候群(Autism Spectrum Disorder:ASD・自閉スペクトラム症)とは?|苦手なこと・向いている仕事を知って働きやすく
アスペルガー症候群 (ASD・自閉スペクトラム症)の説明

大人のアスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)とは?
アスペルガー症候群(Autism Spectrum Disorder:ASD・自閉スペクトラム症)は、人との関わりが苦手で強いこだわりを持つ発達障害の一種です。この障害では、社交性、コミュニケーション能力、想像力、共感性、イメージへの障害、こだわりの強さ、感覚の過敏が特徴とされます。 アスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)は、自閉症スペクトラム障害の一部で、知能や言語に遅れがないタイプに分類されます。最近では、1歳半の乳幼児健康診査でその可能性が指摘されることがあります。
大人のアスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の症状とは?

大人のアスペルガー症候群の特徴
大人のアスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)では、以下のような特徴が見られることがあります。
- 親密なつきあいが苦手:
他人と深い関係になるのが難しい傾向があります。 - 感情の理解が難しい:
他人の感情や気持ちを理解するのが難しいことがあります。 - 冗談やたとえ話がわからない
- 会話が一方的:
会話が相手に合わせられず、一方的なことが多いです。 - 急な予定変更に混乱する:
予測できない変更に適応するのが難しいことがあります。 - 融通がきかない:
柔軟性が不足しているため、状況に適応しにくいことがあります。
これに加えて、知的能力障害やADHD(注意欠如多動症)などと併せ持つことがあり、日常生活や職場での困難、そしてそれに伴う精神的な不調(二次障害)も生じる可能性があります。
社会性・コミュニケーションのむずかしさ
自分のこだわりが強いため、他の人のルールに合わせることが時折非常に難しい状況が生じることがあります。また、社会の常識やマナーの習得が苦手であり、発言時には「空気を読まない問題発言」が起こることがあります。
興味関心の狭さ・偏り
アスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の人は、目で見る情報の方が理解しやすく、全体を捉えることが苦手なことがあります。予期せぬ変化に対しては非常に不安を感じることがあります。
感覚の過敏さ・鈍感さ
特定の感覚が他の人よりも敏感であったり、逆に鈍感であったりすることがあります。例えば、聴覚が敏感な場合には、電話の呼び出し音や電車のアナウンスなどが一般的な範囲でもストレスを感じることがあります。同様に、視覚が敏感な場合、明るい光によってもストレスを感じることがあります。
大人のアスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の診断を受けられる場所は?

診断と支援機関の説明
アスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)も含め、発達障害の診断をすることができるのは医師のみです。また、二次障害による心身の不調がある時も、医療機関を受診するようにしましょう。 アスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)を含めた、発達障害の診断を行える医療機関はまだまだ限られています。お住まいの地域の「自治体の障害福祉課」や「発達障害者支援センター」などで、発達障害に詳しい医療機関の情報を収集し、適切な通院先を選ぶことをお勧めします。
診断までの流れ
精神科や心療内科でのアスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の診断は、以下のステップで行われます。

1 問診:
主に医師が患者に対して質問を行います。患者の症状や行動等についての情報を収集します。

2 追加検査:
場合によっては、「AQ(自閉スペクトラム症指数)テスト」や「知能検査(WAIS-IVなど)」などの追加検査が行われます。これにより、障害の程度や言語性、動作性の特徴などが詳細に検査されます。

3 専門的なテスト:
より専門的な医療機関では、ADOS-2やADI-Rといったテストが実施されることがあります。これらのテストは、より深いレベルでアスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の診断を行うためのものです。
これらのステップを経て、医師は患者の症状や特徴を総合的に評価し、診断を行います。
大人のアスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の特徴は?

苦手なこと
大人のアスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の人は、相手の気持ちを身振りや顔の表情から読み取るのが難しい傾向があります。また、コミュニケーションが一方的であり、周囲が戸惑うような行動をとることがあります。 一般的な「暗黙のルール」や「その場の空気を読む」ことが苦手で、言葉を文字通りに解釈して行動する傾向があります。 さらに、特に自分なりの日課や手順にこだわることが多く、急な変更や予定外の出来事に臨機応変に対応するのが苦手です。
抽象的な指示を理解できない
「いい感じにやっておいて」などといった抽象的な指示を受けた場合、アスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の方はどのように動けばよいのか判断できず、困ることがあります。
臨機応変な対応が苦手
仕事上では、その場その場で臨機応変な対応が求められることがありますが、アスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の方はそのようなことはあまり得意ではありません。
音・匂い・色・肌ざわりが気になる
アスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の方の中には、パソコンのキーボードをたたく音や空調の音など、生活音を非常に敏感に感じる方がいます。生活音以外にも蛍光灯の光や化粧品のにおい、衣服の肌ざわりなどに敏感で、そのままでは仕事や生活が困難な方がいます。
人間関係で苦労する
アスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の方は人間関係を築くことが苦手で、職種や職場によってはシビアなコミュニケーションが求められる場合もあり、働き続けることが困難なケースが見られます。
向いている仕事と向いていない仕事は?

ここでは具体的な職種を例に挙げていきます。すべてのアスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の方にあてはまるわけではありませんが、判断材料の一つとしてご確認ください。
向いている仕事の例
事務職
書類整理やデータ入力などの単純かつ正確性が求められる仕事は、アスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の方の特徴を活かせるでしょう。
プログラマー
プログラマーはパソコンでプログラム言語を使ってソフトやシステムを作る仕事です。 ルールや規則性へのこだわりが強く、高い集中力を発揮できるアスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の方にとって、プログラミングの仕事が適していると言えます。
ライン作業
臨機応変な対応が苦手なアスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の特徴を活かし、細かい作業や単調な作業を続けるライン作業が仕事の選択肢となります。
設計技術者
CADを使用して機械の設計図を描く仕事は、細かく正確さが求められるため、アスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の方に適しています。ものづくりに興味があり、強い集中力を発揮できる方に向いている職業といえるでしょう。
注意が必要な仕事の例
アスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の方には、以下のような仕事が向いていない可能性があります。
レジ打ち
予測不可能な状況や臨機応変な対応が求められることが多いため対応が難しい可能性があります。
コールセンター業務
多くの要求を短時間で処理する必要がある仕事が難しい職種のため難しい可能性があります。
営業職
コミュニケーションが一方的でない場面が多く、人間関係構築が求められるため難易度が高い職種です。
接客業
臨機応変な対応が求められることの多い業務かつ、直接的な対人コミュニケーションが求められる仕事は難しい場合があります。
注意点についてまとめ
注意
臨機応変な対応を苦手とすることが多いアスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の方は、次の特徴がある仕事に注意が必要です。
予測不可能な状況への対応が求められる仕事: 予測不可能な状況に臨機応変に対応する必要がある仕事は、アスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の方にとって挑戦が多い特徴です。
臨機応変な対応が求められる仕事: 仕事上で臨機応変な判断や行動が求められる場面が多い仕事は、アスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の方にとって難しい場合があります。
複数の要求を短時間で処理する必要がある仕事: 短時間で複数の要求に対応しなければならない仕事は、アスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の方にとってストレスがかかる場合があります。
大人のアスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の仕事を探す方法

アスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の方が転職や就職活動を行う際の手順と方法
アスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の方が転職や就職活動を行う際には、以下の手順で仕事を探します。
自分の特性と適性を理解する: まずは自身のアスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の特徴を理解し、得意なことや特技を把握することが大切です。これにより、特性を「強み」として活かしながら働くことができます。同時に、不得意なことも認識し、周囲に助けを求めやすくなります。
支援機関の利用: 仕事選びだけでなく、面接や職場でのコミュニケーションにつまずくことも考慮して、総合的にサポートしてくれる支援機関を活用しましょう。専門家のアドバイスやサポートを受けることで、不安を取り除きながら転職や就職活動を進めることができます。 これらの手段を組み合わせ、自分に合った働き方や環境を見つけることができるでしょう。
支援団体に相談する
地域の「障害者就業・生活支援センター」や民間の就労支援サービスなどがあります。適正の判断や職業訓練、職場に対するアドバイスなど、多岐にわたる支援が受けられます。入社後も安定して就労できるサポートを提供している団体もあります。
ハローワークに相談する
厚生労働省が提供する「ハローワーク」では、障害を持つ方向けの求人情報が提供されています。求人情報の閲覧やトライアル期間の障害者試行雇用、職場適応援助者によるサポートなどが行われています。利用は無料で、登録することで様々なサービスを受けることができます。
転職エージェントに相談する
転職エージェントは専門のキャリアアドバイザーがサポートするサービスです。障害者の就労に特化したエージェントもあり、個別のカウンセリングを通じて適切な職業を提案し、入社後のフォローアップも行っていることもあります。
障害者向けの求人を取り扱う求人媒体で仕事を探す
上述したほかにも、障害者を持った方向けの求人を扱うサイトなどがあります。求人サイトのメリットの一つは、様々な求人を一度に見られる一覧性があるという点です。どのような種類の仕事があるのか、自分に合う職業は何か、覗いてみるのも良いかもしれません。
まとめ
アスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の方は、働くことにおいては、向いている仕事や避けた方が良い仕事を理解することが重要です。 アスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の方は言語発達に遅れがないため、初めて仕事を始める際に困難を経験することがあります。
ポイント
記事では、アスペルガー症候群(ASD・自閉スペクトラム症)の特性や適性を理解し、支援機関や専門家の助けを借りながら転職や就職活動を進める方法を紹介しました。 現在は行政機関や民間団体、インターネット上のサービスなど様々な支援があるので、それらを上手く利用しながらご自身にあった働き方を見つけていくのが良いでしょう。
更新情報
初回公開:2025年12月23日
最終更新:2026年04月09日
この記事で扱ったテーマ
大人のアスペルガー症候群
ASD(自閉スペクトラム症)の特徴
向いている仕事・就職方法
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