障害者手帳とは?|手帳の種類・等級や交付方法について解説
コラム|求職者様向け
2026/04/22
障害者手帳の基本的な役割から種類・等級・取得方法、就職活動での活用方法までを整理して解説します。制度の全体像を知りたい方や、取得後に受けられる支援や働き方を確認したい方に役立つ内容です。
【この記事の目次】
障害者手帳とは

障害者手帳とは、身体・知的・精神などの障害があることを公的に証明するための手帳です。障害者総合支援法の対象となり各種福祉サービスや支援制度、医療費助成・税金の減免・交通機関の割引・障害者雇用枠での就職など、生活と仕事の両面で支援を受けられるようになります。
障害者手帳を取得するかどうかは本人の意思によります。必ず取得しなければならないものではありませんが、生活や就労の場面で支援を受けやすくなるという特徴があります。
障害者手帳の種類・対象
障害者手帳には、主に以下の3種類があります。
1. 身体障害者手帳
対象となるのは、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、内部障害(心臓・腎臓・呼吸器など)で症状が固定し、長期的に障害が続くと判断された場合に交付されます。
2. 精神障害者保健福祉手帳
うつ病、統合失調症、双極性障害、発達障害などの精神疾患により、一定程度長期にわたり日常生活や社会生活に制限がある方が対象です。
ポイント 条件の目安は、初診から6か月以上経過、長期的に日常生活や就労に支障があることです。
精神障害の方の自立と社会参加の促進を図るため様々な支援策が講じられています。
3. 療育手帳
知的障害のある方を対象とした手帳です。自治体によっては呼称が異なり、東京都では「愛の手帳」、名古屋市では「愛護手帳」などと呼ばれ、判定基準、運用方法も各自治体において異なります。
障害者手帳の等級
障害の程度に応じて「等級」が定められています。等級により利用できる支援内容が異なる場合があります。
身体障害者手帳の等級
1級から6級までに区分されています。1級が最も重く、数字が大きくなるほど障害の程度は軽くなります。
等級により税制優遇や交通割引の範囲が変わります。なお、7級は軽微な障害のため単独では手帳は交付されません。
精神障害者保健福祉手帳の等級
1級〜3級まであります。1級:常時援助が必要、2級:著しい制限がある、3級:一定の制限があるとされています。
日常生活能力や社会生活への制約があり、影響の程度によって判定されます。
療育手帳の等級
A(重度)・B(中軽度)が一般的です。自治体によってA1・A2などに細分化、表示方法や区分が異なります。
障害者手帳を取得することによるメリット・デメリット

手帳を取得することで税金の減免や医療費の助成などのメリットがあります。ではデメリットはないのか。手帳を持つことのメリット・デメリットを解説します。
障害者手帳を取得することによるメリット
税金の減免(所得税・住民税・自動車税など)、医療費の助成、公共交通機関の割引、公営住宅の優先入居、障害者雇用枠での就職が可能になる、各種福祉サービスの利用が挙げられます。
日常生活の固定費が下がり、経済的な負担軽減や就労支援を受けられる点が大きなメリットです。
障害者手帳を取得することによるデメリット
申請や更新に手間がかかる、職場などで障害を開示する必要がある場合がある、周囲の理解が十分でないケースもあるといった点が挙げられます。
ただし、手帳を取得しても必ずしも周囲に公表する義務はありません。
障害者手帳を持っていることで受けられるようになるサービス

説明
障害者手帳を提示することで、行政や民間事業者によるさまざまな支援・割引サービスを受けることができます。医療費助成、公共料金の割引、交通機関の割引、携帯電話料金の割引、文化施設の入館料減免などが例として挙げられます。
地域や事業者ごとに行われている場合があるサービス
地域生活支援事業や事業者ごとに行われるサービスの内容や量は各団体によって異なります。
例として、タクシー券支給、水道料金減免、地域独自の給付金があります。
利用を希望する場合、市区町村の障害福祉担当窓口や相談支援事業所に相談し、利用できるサービスを確認する必要があります。詳細はお住まいの市区町村の窓口や公式サイトで確認しましょう。
障害者手帳の交付を受ける方法は?
各種の福祉サービスや支援・助成を受けるためには手帳の取得が必要です。取得申請は各自治体の障害福祉課に申請します。
障害者手帳の申請をするために必要なもの
申請書、医師の診断書(身体の場合は指定医師の診断書)、本人写真、個人番号の確認できるもの(マイナンバーカード・通知書)、本人確認書類(免許証など)が必要です。
診断書の取得方法
指定医療機関または主治医に相談し、障害者手帳用の診断書を作成してもらいます。指定医は障害福祉課で確認できます。
診断書には有効期限があるため、取得後は早めに申請を行いましょう。
障害者手帳の申請窓口
居住する市区町村役場の障害福祉課で申請します。申請後、審査を経て交付されます。交付までには数週間〜数か月かかる場合があります。
障害者手帳の有効期限・更新方法
身体障害者手帳:原則として有効期限なし(再認定が必要な場合あり)、精神障害者保健福祉手帳:原則2年ごとに更新、療育手帳:自治体ごとに再判定の時期が異なるとされています。
更新時にも診断書が必要となる場合があります。
障害者手帳を持つ人の就職方法とは

障害者手帳を持っている方の就職方法は、大きく分けて障害者雇用枠での就職、一般雇用枠での就職、就労支援事業所での就労の3つがあります。
「どの働き方が正解」というものはなく、障害の特性や体調、仕事内容、希望年収、職場配慮の必要度によって最適な選択は異なります。ここでは、それぞれの違いやメリット・注意点を解説します。
障害者手帳を持つ人の働き方の種類
障害者雇用枠での就職
障害者雇用枠とは、企業が法定雇用率(現在は2.3%)に基づいて設けている障害者向けの採用枠です。
■ 特徴
障害者手帳の所持が原則必要
合理的配慮を前提とした雇用
通院配慮・時短勤務など相談しやすい
大手企業の求人も多い
■ 受けられる配慮の例
週30時間勤務(短時間正社員)
在宅勤務併用
電話対応なしの業務設計
定期面談によるフォロー体制
■ 向いている人
長く安定して働きたい
配慮がないと就労継続が難しい
就労で体調悪化経験がある
ポイント 安定性重視なら最も現実的な選択肢です。
一般雇用枠での就職
一般雇用枠とは、障害の有無に関係なく応募する通常の採用枠です。障害者手帳を持っていても応募可能です。
■ 働き方の違い
オープン就労:障害を開示する
クローズ就労:障害を開示しない
■ メリット
給与水準が高い傾向
昇進・昇格の制限が少ない
求人数が多い
■ 注意点
配慮は義務ではない(開示しない場合)
業務負担が大きい可能性
無理をしてしまう可能性がある
■ 向いている人
症状が安定している
特別な配慮が不要
キャリアアップを重視したい
就労支援事業所での就職・就労
一般企業での就職が不安な場合、就労支援事業所という選択肢があります。
■ 種類
就労継続支援A型(雇用契約あり)
就労継続支援B型(雇用契約なし)
■ 特徴
体調優先で働ける
支援員のサポートあり
社会復帰のステップとして活用
■ 向いている人
ブランクが長い
体調が安定していない
まずは生活リズムを整えたい
ブランクがある場合、段階的な就労復帰に「中間ステップ」として有効です。
障害者手帳を持つ方の仕事の応募方法

障害者雇用での就職成功率を高めるには、複数の方法を併用することが重要です。
支援団体に相談する
代表例:障害者就業・生活支援センター
■ できること
就職相談
履歴書添削
面接同行
職場定着支援
無料で利用できる公的支援です。特に初めての就職活動では利用価値が高いです。
ハローワークに相談する
ハローワークには障害者専門窓口があります。
■ メリット
公的求人が豊富
地元企業の求人が多い
職業訓練紹介あり
ただし、求人の質には差があるため、他サービスと併用がおすすめです。
転職エージェントに相談する
障がい者専門エージェントは、近年増加しています。
■ メリット
非公開求人の紹介
年収交渉代行
配慮事項の企業調整
面接対策サポート
年収アップや大手企業転職を目指すなら活用価値が高いです。
障がい者向けの求人を取り扱う求人媒体で仕事を探す
障害者雇用専門の求人サイトもあります。
■ メリット
自分のペースで探せる
在宅勤務求人が見つかる
職種検索がしやすい
エージェント+求人媒体の併用が効率的です。
まとめ
障害者手帳取得は不利になるものではありません。正しく使えば人生を守り、就職活動の幅を広げ、障害に無理のない就業を目指すことができます。
また、障害者手帳を持つ人の就職方法は、安定重視の「障害者雇用枠」、キャリア重視の「一般雇用枠」、段階的復帰の「就労支援事業所」の3つが中心です。自分の体調・希望年収・配慮の必要度を整理したうえで選択することが重要です。
また、就職成功率を高めるには、支援機関、ハローワーク、転職エージェント、求人媒体を併用するのが効果的です。「長く続けられる働き方」を選ぶことが、結果的にキャリアの安定につながります。
更新情報
初回公開:2026年04月22日
この記事で扱ったテーマ
手帳制度の基礎知識
取得後の支援と活用
就職方法の選び方
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