吃音症(きつおん、どもり)の原因とは? | 治し方はあるの?
コラム|求職者様向け
2026/01/06
吃音症(きつおん、どもり)の原因や症状の特徴、診断を受ける方法について解説します。あわせて治療やトレーニング、働き方の選択肢までわかりやすくまとめています。
【この記事の目次】
吃音症(きつおん、どもり)の原因とは? | 治し方はあるの?
吃音症(きつおん、どもり)とは?

説明
吃音症は、言葉がスムーズに出てこない状態を指し、発話障害の一つです。 単に「滑らかに話せない(非流暢:ひりゅうちょう)」と言っても、この症状にはさまざまな症状がありますが、その中で特に目立つ非流暢な特徴は以下の3つです。
おもな特徴は音のくり返し(連発)、引き伸ばし(伸発)、言葉を出せずに間があいてしまう(難発、ブロック)です 。
これらの特徴的な非流暢さを持つ話し方を、『吃音』として国際疾病分類第10版(ICD-10, WHO)では定義しています。
吃音症(きつおん、どもり)の症状
吃音症のある方に見られる症状としては、下記3つが挙げられます。
- ・連発(語音の繰り返し)
- ・伸発(語音の引き伸ばし)
- ・難発(語音の詰まり、「ブロック」)
吃音症は特徴的な話し方の障害ですが、その程度が軽い場合、わかりにくいこともあります。また、以下の話し方の特徴以外にも、吃音症を気にして話すことを嫌がる、緊張して呼吸が乱れるなどの症状も見受けられます。
連発(語音の繰り返し)
く、く、くつが……

あ、あ、あの場所で……

最初の音や音節を何度も繰り返す話し方
「く、く、くつが……」や、「あ、あ、あの場所で……」など、言葉の最初の音や音節を何度も繰り返す話し方があります。このような発話パターンは吃音症の特徴の一つです。 一方で、「それが、それが……」や、「これを、これを……」といった、話全体を繰り返す場合は、症状ではなく、通常の発達の中で見られる発話の非流暢性となります。
伸発(語音の引き伸ばし)
おーーお願いします!

こーーこの本が……

語尾が伸びてしまう特徴的な話し方
「おーーお願いします!」や、「こーーこの本が……」など、話そうとする言葉の最初の音や音節が長くなり、あるいは語尾が伸びてしまう特徴的な話し方があります。
難発(語音の詰まり、「ブロック」)
……それは……

……あの……

スムーズに出てこなくて伝えることが難しいという特徴を持つ話し方
「……それは……」や、「……あの……」といったように、言葉がスムーズに出てこなくて、考えを効果的に伝えることが難しいという特徴を持つ話し方があります。
吃音症(きつおん、どもり)の原因

吃音症(きつおん、どもり)の原因は一つではなく、複数の要因が関係すると考えられています。代表的なものとして、幼児期にあらわれやすい発達性吃音のほか、脳や神経の病気・けがに関連する獲得性神経原性吃音、強いストレスや心的外傷などに関連する獲得性心因性吃音があります。それぞれ原因やあらわれ方が異なるため、状態に応じた理解や対応が大切です。
発達性吃音
発達性吃音は、幼児が複雑な会話を始める段階でよく見られる発話障害です。この症状は主に2歳から5歳の間に発症しやすく、その原因は様々な要因が複合的に組み合わさっているとされています。これには次のような原因が含まれます:
体質的な原因(喘息などの影響や遺伝などが含まれる): 喘息の影響により言葉が途切れやすい場合など、体質的な特徴が関与します。
発達的な原因(言葉をたくさん覚える段階や表現できない感情に触れる段階など): 言葉の発達や感情表現の発展が影響を与える可能性があります。
環境的な原因(家庭環境や親子関係など):両親との会話環境や身の回りの状況が吃音症に影響を与えることがあります。

獲得性吃音
獲得性吃音は、「獲得性神経原性吃音」と「獲得性心因性吃音」の二つに分かれます。これには次のような原因が含まれます:
獲得性神経原性吃音は、頭部のケガや薬物使用、脳や神経の病気によって発症します。脳卒中、パーキンソン病、認知症などが例として挙げられます。特に、事故で頭を強く打った人や高齢者、薬物中毒者に多く見られるとされています。


獲得性心因性吃音は、トラウマやストレスによって引き起こされる吃音症です。辛い経験をした際やそれに似た状況に直面すると、吃音症を発症しやすくなります。
このタイプの症状は、発達性吃音が先天的なものであるのに対し、10代後半以降に発症します。原因としては、神経学的疾患や脳機能障害、ストレスや心的外傷、トラウマなどが考えられています。
吃音症(きつおん、どもり)の診断を受ける方法

説明
吃音症(きつおん、どもり)の診断は、精神科、心療内科、耳鼻咽喉科などの医療機関で受けることができます。 ただし、診察できる医療機関が特定の科だけであるとは一概に言えません。そのため、「この科であれば必ず診察してくれる」と断言することは難しいです。
まずは、自宅の近くに症状に詳しい病院を見つけてみると良いでしょう。
また、お住まいのエリアを管轄している市役所や区役所の窓口に尋ねると、適切な医療機関の情報を得る手助けとなります。
吃音症(きつおん、どもり)の治療方法

説明
現在、吃音症に対して確立された治療法はありませんが、症状の緩和に向けていくつかの方法が存在します。 ただし、利用できる支援は本人の年齢や状態、環境によって異なります。 成人になってからの治療の一例として、「言語聴覚士による指導・支援」が挙げられます。これはリハビリテーション科や耳鼻咽喉科のある病院で提供されていますが、全ての病院で行っているわけではないため、事前に問い合わせや調査が必要です。治療に対応している場合は、公式サイトに情報が載っていることが多いです。
ポイント
治療方法は確立していませんが、いくつかの有効なアプローチが存在し、個人差があります。学齢期は指導や支援が充実していることがありますが、成人になると自らリハビリのできる環境を見つける必要があります。適切な治療法を見つけるためには、言語聴覚士による支援が役立ちます。 また、他の原因で吃音症が発症していないかを確認するためには精神科などの受診も検討することが必要です。
環境調整
吃音症がある場合、難しいと感じる業務があれば、進め方を変えたり、コミュニケーション手段を見直したり、作業量を調整したり、別の仕事に変更するなど、環境の調整が考えられます。しかし、これを実現するためには、まず会社や上司に症状を伝える必要があります。
伝える際のポイントは、症状だけでなく、「どのようなことが難しいのか?」や「どのようなサポートが必要か?」など、具体的に話すことです。話すことが難しい場合は、まずは上司や先輩、理解のある同僚など、話しやすい相手から相談してみると良いでしょう。
上司や先輩のほか、産業医や社内カウンセラーなどの社内窓口も利用できます。 環境調整は、患者本人ではなく周囲の対応を変えることで、コミュニケーションがスムーズになるようにするものです。吃音症に理解を示し、遮らずに話を聞いたり、難しい質問を避けたりするよう周囲にお願いすることが含まれます。
トレーニング
改善トレーニングには複数の方法がありますが、腹式呼吸や発声トレーニングが始めやすく効果的です。子どもには「リッカムプログラム」、大人には認知行動療法が選択肢です。自分に合った方法を見つけましょう。
TMS治療
TMS治療は、磁気刺激によって脳の特定部位にはたらきかける治療法です。一部の疾患では海外で承認されている例がありますが、吃音症に対する有効性については研究段階のものも多く、標準的な治療法として広く確立されているわけではありません。そのため、治療法の適用を検討する際は、医師と十分に相談したうえで判断することが大切です。
吃音症(きつおん、どもり)の方にオススメの働き方
- 障害者雇用枠
一般雇用枠
就労支援事業所
障害者雇用枠での就職
あらゆる人が障がいの有無に関わらず、自身の職業を選択できるよう、国は障がい者雇用対策を進めています。 国は企業に対して、労働者の中で約2.3%に相当する人数を障がい者雇用として採用するための枠を設けるよう奨励しています。このため、障がい者雇用枠では、各個人の状況や特性を十分に考慮した上で、採用プロセスが進められます。
一般雇用枠での就職
一般雇用枠で就職することで、もし自身の障害について会社に知られたくない場合にも、安心して働くことができます。他の応募者と同等の条件で競争でき、実力やスキルが重視される傾向があります。障がいが採用の障害にならず、公正な機会を得ることができます。ただし、障害者雇用枠とは異なり、障害に対するサポートは期待できない可能性があります。
就労支援事業所での就職・就労
障害者の就労を支援する事業所にはいろいろな種類があります。 就労継続支援A型事業所は、一般企業などでの雇用が難しい方々に向けて、障害者総合支援法に基づいて雇用契約を結び、就労機会を提供するサービスです。利用者は自身の労働に対する対価として「賃金」を受け取ることができます。
一方、就労継続支援B型事業所は、一般企業などでの雇用が難しい方々に向けて、障害者総合支援法に基づいて『雇用契約を結ばず』、就労機会を提供するサービスです。 できる範囲で働くことができ、利用者はサポートを受け「工賃」を受け取りながら、活動することができます。

まとめ
吃音症にはさまざまな種類や症状があり、それぞれの特性や悩みは異なります。長く安定的に働くためには、特性に合った仕事を選ぶことと同様に、職場環境や周囲の理解も重要です。今は、障がい者雇用枠、就労支援事業所、一般雇用枠などで様々な働き方を選ぶことができます。これらを上手に活用して、自身に合った働き方を見つけていくことがおすすめです。
更新情報
初回公開:2026年01月06日
最終更新:2026年04月13日
この記事で扱ったテーマ
吃音症(きつおん・どもり)
原因と治療方法
働き方の選択肢
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参考: